「さとう歯科クリニックは、子供の治療(矯正)はやっていないんですか?」⇒やってます!

さとう歯科クリニックでは「子どもの歯の治療」はもちろん、お子さんの全身の健康の「現在から将来まで考えた歯の矯正」も行っています。

具体的にどんなことなのか、経緯も含め副院長先生に聞きました!

目次

1.永久歯が、生えそろう前の「子供の歯の矯正」やっています!
2.参考:H君ママの声
3.子どもの矯正の手段:「プレオルソ」
4.「MFT(口腔筋機能療法)」
5.子どももお年寄りも「口の機能」が衰えてきている?!
6.今も将来も健康に過ごしてほしい!
7.「MTF」の実際の治療内容、教えてください!
8.取材後記

―「さとう歯科さんは入れ歯専門なの?」と、問合せがあったとのことですが。

はい、確かにホームページは「入れ歯」中心のお話しで作ったので、「子供は診てもらえますか?」という電話の問い合わせがありました。

特にお子さんの歯並びついてのお悩みのお問い合わせが多く、「小児矯正もやっています。」とスタッフが答えるのですが、詳しく書いてあるページがホームページにないので小児矯正について、今回作ることにしました!

―なるほど。実際に治療しているお子さんの例を見せていただけるそうですが。

はい、お子さんって矯正の効果が早くてビックリします(興奮気味)、模型と写真を見れば一目瞭然です。H君とY君の症例をご紹介します。

まずはH君から、注目は下の前歯が見えない「ディープバイト」(過蓋咬合:かがいこうごう)と「上顎前突(じょうがくぜんとつ:出っ歯)」です。小2からスタートして1か月後がこれですよ、前歯の出っ歯の部分がだいぶ内側に動いています。

症例その1:H君

H君正面

H君下から

初診時:横から

初診時:下から

H君のお顔の様子

H君 2023年6月プレオルソスタート!

H君 2023年7月(1か月後)

H君 2024年1月(約半年後)

H君 2024年5月(もうすぐ1年。姿勢も良くなり、口もとも出っぱった感じが無くなりスッキリとしてきました!)

H君の口腔内写真

H君 2023年6月

H君 2023年7月

H君 2024年1月

H君 2024年5月

「出っ歯」だった前歯は「内側」に移動し、過蓋咬合がだいぶ改善されて、下の前歯がしっかりと見えます。

H君情報

1.年齢: 初診時7歳
2.主訴:出っ歯でお口がぽかんと開いてしまう。咬み合わせが深い。
3.診断: 上顎前突、過蓋咬合
4.期間: 2023年6月からプレオルソをスタート、現在も治療中。
5.料金:プレオルソ代 200,000円 /3ヶ月ごとの調整・MFT代 3,000円
6.事前に知ってもらいたい事:プレオルソ矯正とMFTは、セットで効果が得られるということ。プレオルソは、第1期治療であるということ。
7.主なリスク、副作用に関する事項 :使わないと効果はゼロである。
8.抜歯部位 :なし
9.治療に用いた主な装置 :プレオルソ

症例その2:Y君

Y君は「オープンバイト」(開咬:かいこう)です。上の前歯が出っ歯で、奥歯で咬んでも前歯が咬みあっておらず、お口を閉じることが難しく、下唇を上下の歯の間に巻き込む癖がありました。この癖がさらに上の前歯を前突(ぜんとつ:出っ歯)にさせてしまうんです。

この6か月後・・・。

Y君のお顔の様子

2023年6月プレオルソスタート!

2023年7月(1ヶ月後)

2024年1月(約半年後)

2024年5月(もうすぐ1年、下唇を巻き込む癖もすっかり無くなり、唇がキレイな形に!姿勢も良いです!)

Y君の口腔内写真

2023年6月

2023年7月(1か月後)

2024年1月(半年後)

2024年5月(奥歯で噛んだ時、上下の前歯がキレイに閉じるようになり、下唇を巻き込む隙間は無くなりました。)

Y君の情報

1.年齢: 初診時7歳
2.主訴: 上下の前歯が咬み合わない。下唇をかむ
3.診断: 開咬
4.期間: 2023年6月からプレオルソをスタート、現在治療中
5.料金:プレオルソ代 200,000円 /3ヶ月ごとの調整・MFT代 3,000円
6.事前に知ってもらいたい事:プレオルソ矯正とMFTは、セットで効果が得られるということ。プレオルソは、第1期治療であるということ。
7.主なリスク、副作用に関する事項 :使わないと効果はゼロである。
8.抜歯部位 :なし
9.治療に用いた主な装置 :プレオルソ

―え???こんなに変わるんですか??

変わります!両手で模型を持っている写真を見てほしいのですが、2023年6月スタート(右の模型)で、左の模型は2024年1月に採ったので、約半年ですね。

歯並びや、癖を治す治療をしない子は、下唇を咬んだまま思春期を迎えて、その頃にはかなり出っ歯になります。

2期治療(永久歯が生え揃う約12歳以降の矯正)からの矯正治療も可能ですが、そういう習癖(しゅうへき:唇を噛む、舌を前に突き出すなど)や口の周り筋肉(口輪筋という唇の周りの筋肉;下記図参照)の力が弱いと、矯正しても後戻りします。(矯正が終わった後も癖が治らず、前歯が出っ歯に戻ってしまう。)

―実際どのようにプレオルソ(下記画像)を着けていますか?

日中1〜2時間と就寝中だけですね。お外に持っていかなくてよい利点もあるし、宿題やゲームをやっている間に1〜2時間、あとは寝る前に入れます。子供の歯並びを気にしている同級生(小学校低学年)のお母さん、すごく多いです。

―お子さん、嫌がりませんでした?

最初は違和感があったようです。でも本人も前歯がピョッと出ているのが気になっていたのが1か月経ったらだんだん良くなり効果を実感し、入れるのが当たり前になってきて、普通に自分で入れています。

「プレオルソ矯正装置」とは?

「子どもの矯正治療」のために開発された機能的マウスピース型矯正装置です。第1期治療で行う矯正に使います。


特徴

① 柔らかい

硬いプラスチック性ではなく、ポリウレタンの柔らかい素材で装着感が非常に良いため、子どもが装置を嫌がらずに使えます。

② 調整が簡単

従来の矯正装置は調整が非常に複雑で、装置装着時に口を長く開けていなければならなかったり、器具を付ける接着剤などの嫌な臭いや味がしました。

プレオルソ装置は、熱可塑性(ねつかそせい:熱を加えることで自由に調整できる)の素材で出来ており、お湯を使った簡単な調整をする事によりあごを広げたり、個々の口腔内に合わせたりすることができます。

③いつでも簡単に取り外し可能

装着するのは、お家にいる「寝る時」と「起きている時1〜2時間」のみでOK。簡単に外して清掃でき、いつも清潔な状態を保てます。

④プレオルソを装着することで、MFT(口腔機能療法)ができる。

舌は自動的に挙上(きょじょう:上にあげる)され、プレオルソを入れることで正しい舌の位置を維持でき、舌の力も強くなります。

また、正しい飲み込みの練習もできます。プレオルソが外れないように、唇を閉じることで唇周りの筋肉の強化もできます。さらに、プレオルソを使用することで、お口での呼吸が出来なくなり、鼻呼吸を促します。

(ブログの「お口ぽかーん(口呼吸)してませんか。」に鼻呼吸の大切さを詳しく解説しております。是非ご覧下さい。)

★プレオルソについて、お気軽にお問合せ下さい。★

―H君とY君は、どんな器具を使って矯正したんですか??

当院の子どもの矯正で使う器具は、「プレオルソ」です。プレオルソは、第1期治療の矯正治療です。永久歯と乳歯が混在している「混合歯列期(こんごうしれつき)」に行います。

―こんごうしれつき?

混合歯列期とは、乳歯と永久歯が混ざっている頃です。この模型は6歳臼歯と前歯が永久歯ですが、他の臼歯は乳歯のままです。

―プレオルソのタイミングは、いつがいいのでしょうか?

3歳から出来るのですが、イヤだから取ってしまう、矯正をする意味の理解が難しいので結局小学生の6~10歳までがプレオルソで1期治療矯正をスタートするいい時期です。

「舌(ぜつ)ポジション」とか「舌圧(ぜつあつ)」が成長期に大事ですが、舌が正しい位置にいつも置いている子は少ないです。

大人でも少なく、お年寄りは特に低位舌(ていいぜつ)といって舌の筋肉の力が弱く、下の歯よりも舌(ぜつ)がだらんと低く落ちている人が多いですね。

食事中に誤嚥してむせてしまったり、上手く食べ物を飲み込めなかったり。

お子さんは、低位舌や舌突出癖(ぜつとっしゅつへき:自然とベロの先っぽが上下の歯の間に突き出している癖のこと)子が多いです。

―ベロの位置・・・ですか。

最近は予防に力を入れているご家庭が多くなり、虫歯になる子は減ってきましたが、この悪い習癖がある子が多いですね。

食習慣や生活習慣が一番大きな要因・・・柔らかいものしか食べなくなると、アゴが小さくなりますし、お口を閉じずにクチャクチャと食べ、良く咬まなくても簡単にするっと飲み込めます。

よく咬んでペースト状になった食べ物を、唇をしっかり閉じ、舌の筋肉を使い、食べ物をのどに送り込み、ごくんと飲み込む・・・しっかりとお口や喉の筋肉を使い食べる。

これが理想ですが、はじめから食べやすく、飲み込みやすいものを取りがちなので、お口の筋肉をほとんど使わなくても食べられてしまうんです。

口腔機能発達不全症」(参考:「小児における口腔機能発達不全」とは)で、小学生になると出っ歯になったり、前歯が閉じなくなったり、そういう子が多いですね。キレイな歯列の子って、最近少ないなという印象ですね。

―(汗)歯並びについて、何もしなくていい子の方が少ない?

そうですね。うちのスタッフにも小学校低学年のお子さんのお母さんがいますが、お子さんの歯並びを気にしているママ友がすごく多いそうです。

先ほどのH君Y君のように「プレオルソ」で口の周りの筋肉バランスを整え、筋トレすると、歯並びは変わります。コロナ禍でマスクしていることが多かったことも、「口呼吸」の要因の一つになっているんじゃないかと思います。

―マスクをすることが、口呼吸の要因??

マスクをすると「口呼吸」(医療的には「こうこきゅう」ですが「くちこきゅう」のことです)になる、口で息をした方が楽なんです。

緊張がなく口が開いている状態で成長期の3年間を過ごしてきたので、マスクも原因に入れてもいいかもしれないです。

コロナ禍で仕方がないことでしたが、学校で1日中マスクしていたのが3年間って、特殊なことですよね。

それを小学校の1~3年の大事な成長期に口をポカンと開けていたら、それだけで歯並びを悪くする原因になりますよね。

―素朴な疑問ですが、先生は入れ歯の事もやっていて、歯の矯正の勉強もするって、大変じゃないですか??

新しい情報を日々見ています。色々な歯科医療の情報発信をしているSNSや月刊誌を見て、「あ、すごいな、面白い!」と思ったら今時はオンラインセミナーがすぐ受けられるので受けてみて、これは良いと思ったらもっと勉強して・・・。

―EMS社のエアフローもそうでしたが、「いいな」と思ったらやっちゃうんですよね、先生。

好奇心旺盛というか、ミーハーというか。(笑)

―先生は、子供たちの歯並びの現状を、見て見ぬ振りできないのですね。

―そういう思いで、入れ歯も、子どもの矯正も、なんですね。

日本口育協会」というところが提唱しています。「口育士」「口栄士」という資格も取りました。

―MFT導入のキッカケとして、飲み込みがうまく出来ないお年寄りの「口腔機能低下の現実」があったんですね。

MFTは、赤ちゃんからお年寄りまでの口腔機能を健康に保つ・・・お年寄りは、寝たきりにならずに元気で健康寿命を延ばそうという考えのもとでやってます。

勉強を進めると、子どもの矯正の症例もたくさん出てきまして、そこで前出のプレオルソも紹介されていて、知ることのきっかけとなりました。

―「薬が飲めない」って切実ですよね。

皆さん薬の量が多く、時間を掛けて薬を飲んでいます。飲めたと思ったら、ノドのどこかにカプセルがくっついていたりして。

―私の祖父も、お腹いっぱいになると思うくらい薬を飲んでいました。「薬をいっぱい飲む層」と「入れ歯をしている層」は、確かにほぼ一致ですね。

どういう風に飲んでいるのかを見させてもらうと、口腔機能が低下しているため「喉」と「舌」を使わずに、「流し込み」をして飲んでいるのです。「喉」や「舌」の筋肉をしっかり使って飲み込まないと気管にも一部食べ物が入り込み、むせてしまいます。

飲み込む筋肉が、弱くなると「喉の蓋」が閉じなくなります。それを改善するためにはどんな訓練したらいいのかというところで、MFTをお年寄りにも・・・子供さんももちろんですけれど。

―全部つながるのですね。

全部つながっています。確認のため院内で「水を下を向いて、唇を閉じて、ゴックンしてください」とお願いすると、舌(ぜつ)と喉の筋肉が衰えて、ゴックンが出来ないのです。お子さんも「流し込み飲み」をする子が多いです。

―お子さんも?ですか??

舌圧が弱い子はだいたい唇がポカンと開いたままで、舌や喉の筋肉を使わずに飲んでいます。この動画(下記動画参照)を患者さんに見せるのですが、成長期に舌圧が弱いとどうして歯並びが悪くなるか?が分かります。

メカニズムとしては、頬筋(きょうきん:頬の筋肉)が外側からグッと押すけど、ベロが下アゴに下がって上アゴを押し返さないので、歯列が半円形でなく、V字形になり歯が内側に傾いてきて、前歯は出っ歯になります。

―ベロと頬の筋肉の力関係で、歯並びが悪くなるなんて・・・。

そして、臼歯部は下がります。(圧下:あっか)

口呼吸の子は、前歯が高くなって臼歯が下がる⇒アゴが(頭の後ろの方に)下がる⇒上アゴのアーチ(歯並びのカーブ)が狭くなる⇒出っ歯になる⇒口がポカーンと空いちゃうのです。そして、20代になると「顎関節症」のリスクも高くなります。

―歯並びの悪さからくる「顎関節症」?!

動画がもう1つあって・・・口呼吸がどうしてダメなのか、お子さんや親御さんに見せます。口で息をすると「細菌」「ウイルス」「花粉」などや、「冷たい空気」がフィルターなしてダイレクトにノドや肺に入る、口呼吸の子は風邪をひきやすい子が多いですね。

「舌圧」と「頬粘膜の圧」で歯列のバランスが取れるはずが、上アゴの空間にベロがなくてカラっぽになると「Vの字」になる(本来は「Uの字」)、そうすると「出っ歯」「ガタガタの歯並び」になります・・・本当にこういう子、多いです。

そしてこういう子は大体、口蓋(こうがい:下記図参照)がものすごく深いのが特徴です。

低くなった下の臼歯(奥歯)の上に舌を乗るから、臼歯部が圧下(あっか:下に押される)⇒前の歯が臼歯より高くなる⇒咬み合わせようとしてアゴが後ろに下がる⇒アゴに負担が掛かる。

そういう子を減らすためには、やはり混合歯列期に口腔機能を訓練することは大切だと思います。

―出っ歯になってきて「あ、どうしよう」と思った時が相談時ですね!矯正は歯だけを動かせばOKと思っていました。

歯並びを左右するのは、歯の問題だけではないんです。それは歯科医師にとっては周知の事なのですが、一般の方はお分かりになってない方が多いと思います。

それと、歯の矯正が「プレオルソ」「MFT」で完結しない事もあるということをしっかり知っていただきたいです。(プレオルソ矯正終了後、歯並びにご満足頂ければ完了です。)

―え?そうなんですか?

あくまでも一助、「第1期治療」なんです。「第2期治療」の前段階として、口腔機能を正常な状態に持っていく「第1期治療」なのです。

ここで、「第1期治療と第2期治療について」、説明します!

さとう歯科クリニック矯正講座~「第1期治療と第2期治療について」

歯科矯正の治療は一般的に「第1期治療」と「第2期治療」の2つの段階に分けられます。

第1期治療(早期治療)

〈対象年齢〉

第1期治療は通常、子供の混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行われます。具体的には、6歳くらいから大人の歯が生えそろう12歳頃までが対象です。

〈目的〉

顎の成長誘導や不正咬合の予防が、主な目的です。将来的な歯列矯正を簡単にするために、顎の成長や歯の位置を早期にコントロールすることです。具体的には以下のような点に焦点を当てます。

  • 顎の成長誘導
  • 不正咬合の予防と修正
  • 永久歯の生え変わりのガイド
  • 口腔習癖(口呼吸、指しゃぶり、舌突出癖など)の修正

第2期治療

〈対象年齢〉

第2期治療は、すべての永久歯が生えそろった時期に行われます。平均的に12歳以降です。

〈目的〉

主に12歳以降を対象とし、永久歯の位置を最終的に整えることが主な目的です。永久歯の位置を最終的に整えることで、機能的かつ審美的に最適な咬合を実現することです。以下の点に焦点を当てます。

ワイヤー矯正、インビザライン

  • 歯並びの最終調整
  • 正しい咬合関係の確立
  • 長期的な口腔健康の維持

第1期治療と第2期治療の連携の必要性

第1期治療と第2期治療は、連続的なプロセスとして設計されています。第1期治療によって得られた成果が、第2期治療をよりスムーズかつ効果的に進める基盤となります。第1期治療を受けることで、将来的に必要となる治療の複雑さや期間を減少させたり、第2期矯正終了後の後戻りの予防ができます。

それぞれの治療段階において、個別の治療計画が立てられますので、ご相談ください。

矯正治療の流れ

―副院長先生の「矯正講座」、ありがとうございます!なるほど、矯正には「1期」と「2期」があるんですね。アゴの骨の成長や、お口のクセ(口腔習癖:こうくうしゅうへき)に関わるから早い方がいいと。

子どもの時から改善して、年をとってもしっかりと咬んだり飲み込むことができる筋肉をつけるということは、健康のために大事なことだと思います。

入れ歯の方は本当にご苦労されていて・・・固形物が飲み込めない、歯ごたえのないものを食べる、というか流し込んでいる。

―「モグモグ」がない・・。

入れ歯が合わなければモグモグ出来ません。歯を失って、入れ歯が合わなくて、流し込んで飲んで・・・そういう風に何年も暮らしてきている方が多いです。

新しい入れ歯を入れて、咬む硬さをどこからスタートするかフードテストすることもあります。「咬み方」を忘れちゃっているんですよ。

―咬み方を忘れる??

―さとう歯科の子どもの矯正は、歯並びだけじゃなく、将来のお口の健康にも関与するのですね。

はい、私も習癖があったから下顎の臼歯部が圧下(あっか:沈んじゃう)してアゴが後ろに下がり「ディープバイト(過蓋咬合:かがいこうごう」」という深い咬み合わせになりました。

ずっと「顎関節症」と「頭痛」がひどかったので、下がった臼歯を上げる治療をインビザラインで治療しました。

―どうなりました?

関節の音がしなくなりこれはすごいと思って・・・以前は関節の骨が折れそうなひどい音がしていました。私の顎の関節はもともと細いです。

―アゴの関節が太い、細い、があるのですね?!

あります、あります。正常な関節は大体、「親指の太さ」です。

でも、私はこんな感じ(小指の太さくらい)。

しっかり咬んで、正常な成長をした顎の関節は親指の太さです。以前は「アゴが痛い」「口が開かない」「ひどい片頭痛」でしたが、なくなりました。下顎の内側に倒れていた臼歯部がまっすぐに立ち上がったので、すごく舌も動きやすいし、咬み合わせが良くなり、明らかに変わりました。

―矯正の効果を、先生が一番体感しているのですね。

だから同じ悩みを抱えた患者さんにお勧めしてしまいます。「良くなりますよ!」って。私も口蓋が深くて狭いです、V字形の歯列でした。

インビザライン矯正で「V字形」が「U字形」に拡大し、倒れ込んだ奥歯もしっかり立ち上がり、今は調子が良いです。自分の中でも、V字形になった理由はなんとなく分かります。

柔らかいものが好きだったし・・・硬いものを好んで食べなかったですね。好き嫌いもあって、咬むのが大変な硬そうなお肉とかは避けていた記憶はあります。

―さとう歯科さんでの「MFT」、具体的にはどんなことをするのですか?

全員にやってもらうのは、「あいうべ体操」を1日に、1セット30回をできれば3回です。お風呂に入っている時など、時間があればなるべくたくさんやってもらいます。小学校低学年スタートだと、理解もできて素直に頑張ってくれるので「適齢期」ともいえますね。

―高学年になってくるとお母さんの言うこと聞かない・・・ですよね。

お父さんやお母さんの前で「あいうべ体操」をしたり、トレーニングをやるのに抵抗がありそうな場合、親御さんは待合室で待っていただきお子さんと一対一でお話しします。
アプリもあります。

「じゃあ一緒にやってみようか」とお話ししながら、できたら「上手~!大丈夫だよ、これならば~!」と褒めます。

―ほめて伸ばす!(笑)

口呼吸の子は「舌圧」が弱い子がほとんどです。舌圧を鍛えるためのいろいろなMFTがありますが、継続が難しいです。なので、何か道具を使う方法を指導すると面白がってくれて、やってくれます。

―道具?

例えば「ペコぱんだ」です。ベロ側に出ている方をつけて、前歯で咬んでクッと舌で押すのを1セットで30回やります。硬さが4段階あり、舌圧が弱い子は1番柔らかいのでも出来ません。でもトレーニングをすると、3ヶ月くらいで次のステップが楽にできるようになったりします。

もう1つ訓練がありまして、ストローをベロの下に置いてつばを飲み込めるか?

―ストローをベロの下?(詳しくは下記動画参照)

「ポスチャー」と言います。舌の先をスポットのところに付けて、舌全体を上あごに軽く吸い付けます。ストローを上の犬歯の後ろに置き、歯でストローを咬みます。唇を閉じて、つばをゴックンと飲み込みます。

ストローを咬みながらつばやお水を楽に飲み込めるようになったら、舌圧を使い正しい舌スポットに舌を付けて飲み込めるようになっているということです。

―(やってみる)で、出来ません。舌圧は弱いんですね・・・自分は大丈夫と思っていました。(泣)

これは面白いから結構やってくれます。お母様が「やってみて」と子供に言われてやったけど「あたし、出来ない」と焦って、「そういえば口呼吸で、前歯が出ている、咬み合わせも良くない」と相談にこられ、それがきっかけで矯正を始めたお母様もいます。

「ペコぱんだ」も最初は出来なかった子が、とポコポコ出来るようになり、「次の硬いのをやろうか」と言うとモチベーションアップします、出来るようになるのが楽しいんですよね。

―あの手この手で考えていますね。

あいうべ体操も「うー」の時に口をすぼめて、デンタルミラー(口の中を見る鏡)を頬と歯の間に入れるんですよ。ぐっと引っ張ると大体抜けちゃうんですが、抜けないように「ウー」してといって、引っ張り合いっこするとスポンスポン抜けるので「もっと強くして」と言うと、必死になってやってくれます。

この「うー」が、あいうべ体操の「うー」だからね、と。ただの口をすぼめるだけの「うー」ではなく、抜けない「うー」をやらないと唇が強くならないよと。次に来た時に抜けなくなって、どや顔で「どうだ」となります、男の子は特に。(笑)そうやって頑張っている姿を見ると嬉しくなります。

―プレオルソ装着後の受診の間隔は?

最初は1か月後ですが、その後は3か月に1回来ていただきます。「できたよシール帳」を渡して、出来たら好きなシールを貼っていただきます。一番上に「やらなきゃいけないMFT項目」と、「次はここまで頑張ろうね」とメッセージを書いて。

―メッセージ・・・保育園の先生とのノートのやり取りを思い出しました。

皆さんそういうのをちゃんと見てくださるし、せっかく頑張ったので「手書き」で書いています。

―MFTを具体的なやり方を「ネットで探す」のではなく、「目の前で先生に教えてもらう」のは納得感があります。

その人に合った内容の選択も必要ですしね。「クリニックで一緒に練習して、お家で自主的に練習して、成果を定期的に見せてもらう」を繰り返し、鍛えていく。MFTは、効果が出るまで時間が掛かります。

―プレオルソやMTFをやっている間に、歯だけでなくベロや、口の周りの筋肉や、呼吸に対しての意識が変わると思います。

そうですよね。知れば知るほどしっかり咬んで正しい飲み込みができるようになりたい、歯並びをキレイにして一生自分の歯で食べられようになりたい、と思いますよね。

知らない方が多いので、第1期治療の矯正の時にいろいろお話しして知っていただきたいと思います。第1期治療は出来る期間が限られているので、気になったらとにかく聞いてくださいね。

まず、子どもの矯正はびっくりするくらい歯の動きが早いです!しかも、プレオルソもMFTも歯を直接動かしていないのに動いている・・・まだ不思議です。

実は「どうして入れ歯の得意な先生が、わざわざ子供の矯正をやっているんだろう?」と思っていました。でも、すべてがつながっていくということを知り、合点がいきました。まずは親御さんに知ってもらうことが大切です、ドンドン先生に質問してみてください!

さとう歯科さんは1期治療の矯正として「プレオルソ」と「MFT」セットが20万円と、矯正としては破格です。困っている人を放っておけない先生です、ぜひ一度ご相談ください。

(※)1マウスピース型矯正装置 (インビザライン)は、医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていない未承認医薬品です。
2マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、米国アライン・テクノロジー社の製品であり、インビザライン・ジャパン株式会社を介して入手しています。
3国内にもマウスピース型矯正装置として医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けているものは複数存在します。
4マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、1998年にFDA(米国食品医薬品局)により医療機器として承認を受けております。
5マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、完成物薬機法対象外の歯科矯正装置であり、承認薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。