酒井牧子 さかいまきこ

  • 日本歯科TC協会認定トリートメントコーディネーター
  • 日本咀嚼学会認定咀嚼指導士
  • MTF 口腔筋機能療法士

目次

  1. 患者さんと先生との懸け橋です
  2. ネコが好き♪
  3. 日本で100人ちょっとしかいない「歯科感染管理者」です
  4. お口の筋肉についても勉強しています
  5. 患者さんにメッセージ

1.患者さんと先生との懸け橋です

―酒井さんは「トリートメントコーディネーター」だそうですが、どんな役なんですか?

簡単に言うと・・・患者さんと先生との懸け橋になるポジションですね。
治療の内容を分かりやすくお伝えしたり、不安を抱えている方の話を聞き出したり、患者さんの希望や気持ちを先生に伝えたり・・・。
安心して治療に臨んでいただき、信頼していただければ一番いいですね。

―初診だと、問診表に記入した後、酒井さんが聞いてくれるというイメージでしょうか?

そうですね。
そのあと治療の際に分からないことがあったら、ご説明します。

―先生の説明で聞きそびれたことをフォローしていただける?

はい!
スキマ時間、例えば先生がチェア(診察台)に入っていない時に、まず世間話からお話ししてその中でどういった不具合を感じてらっしゃるとか、先生に言えないことをお聞きしてご説明します。
入れ歯は専門的なことが多いので分かりづらいと思いますし、他の治療でもそのように心がけています。

患者さんのココロを分かることが出来る立場だと思います。

―先生って神様だとおっしゃってた方もいます。先生は敷居が高い、聞くなんて畏れ多いという方も多いのでは?

そうですね。
悩みを抱えていたとしても、先生には言えない方が圧倒的に多いです。
表情一つ見逃さないようにして、話しているところで汲み取るような感じです・・・お話をしないと分からないので、世間話から始めて少しずつ。

―先生が神様だとしたら、トリートメントコーディネーターさんって・・・天使ですかね?

懸け橋という意味では…天使になりたいですね。(笑)
先生と患者様をつなぐお手伝い、先生との信頼関係を築いていただくお手伝いですね。
お話に来る患者さんの方が圧倒的に多いんです、治療はもちろんですけれどお話をする事がすごく多い。
先生のチェアタイム(診察台で治療したりお話しする時間)よりも、私たちとお話しする時間の方が長かったりするので、お話しして仲良くなります・・・好きですね、お話しするの。

2.ネコが好き♪

―なるほど、お話が好きなんですね!ほっとしました。患者さんと意気投合したことありますか?

実家で猫を飼っているんですが、猫ネタですとか、食べ物の話ですとか、いろいろあります。
話が合うところを探すことはありますね。

―話をしてくれるのは嬉しいんですが、患者さんは「次の患者さんの時間、大丈夫かしら?」と心配していると思いますがどうですか?

私は気にせずにお話をしています。

どれだけ患者さんがいても、その人はその人だけの時間を持っていらしています。
しっかり話を聞いて、痛いとか、どうしてほしいのか、何を訴えているのか、聞かないと分からないじゃないですか。

だから時間は関係なく・・・受付に立つことも多いので、受付や診察台の上で麻酔を待っている間とか、終わった時に話を聞くとか、時間を見つけて話します。
あとは治療が終わった後に「今日はどんな治療をしたのか?」という患者さんもいるので、受付で絵を紙に描いて説明します。

「この人に話を聞けば説明してくれる」と患者さんに思っていただけるように接しています。
「あなたじゃなきゃ、イヤよ」と言われたいです(笑)、勤めている年数もが長いので。

―何年目ですか?

約20年くらいですかね。
ちっちゃかったお子さんが大人になって赤ちゃん連れてくるとか・・・患者さんも覚えていてくれて「お姉さんまだいるの?」とか。(笑)

―もしかして地元ですか?

そうなんです、地元の話題も任せてください!
何番のバスで来るんですか?とか・・・小学校も中学校も地元です。(笑)
超地域密着なので、患者さんにお会いすることもあり、自転車から「おはようございます!」とお声がけすることもあります。

―生まれも育ちも江戸川小岩、ですね!酒井さんに聞けばいい!ってことですね。

はい!
小岩の話をしたいし、色々教えてもらいたいです。

3.日本で100人ちょっとしかいない「歯科感染管理者」です

―歯科感染管理者だそうで・・・第2種と第1種があるとのことなんですが。

第2種と比べて、第1種はより深くて、マニュアルが書ける責任者という感じです。
1カ月間しっかりお勉強ができたので、取ってよかったなと思います。
医院独自のマニュアルを作成するんですね、全部把握をして・・・感染症にはこれが必要だとか、こういう器具を使ったらこういう消毒が必要だとか、分けられているんですね。
器具の分類・・・血液の付いたものをどう滅菌消毒すればいいのかなど、全部マニュアル化するんです。

第1種を取得者は日本で100人ちょっとしかいないんです。

―コロナで患者さんの意識は変わりましたか?「歯医者さんって感染するんじゃないの?」と思っている人は多いです。

意識が変わった方は多いと思います。
待合室を換気・消毒をしていると「徹底してやっているわね。安心するわ。」とおっしゃっていただけます。(衛生面を)気にされてるからこそ言っていただける言葉だと思うんです。

結構細かいんです、私。(笑)
衛生管理の資格を取る前から、自分が「もしお口の中に入れるものが汚かったらどう思うか?」という事を第一に考えて、そこからいろいろなところに目が行くようになりました。
血液ひとつ水滴1つ残っていてほしくない、キレイな状態で入っていただくのがベストかなと。
だからホント細かいです、スタッフみんなイヤになるくらい。(笑)

―(お昼休みに訪問時、「シュッシュ」と噴きつけて拭いている音が長々としていました)
大まかにこうでいいや、ではなく、きちっと具体的に感染管理しているんですね。それと「口輪筋セミナー」にも行かれているそうですが。

4.お口の筋肉についても勉強しています

口の中は、色々な筋肉に支えられています。
歯を失った方は入れ歯で補っていきますが、歯が無くなると咀嚼(そしゃく:噛む)する機能が失われる、そうするとお口の筋肉が衰退していくんです。
入院して3日寝たきりになると歩けなくなる、っていうじゃないですか。
それと同じで、食べられなくなったり話せなくなったり・・・ベロの筋肉が衰えておぼつかなくなる。
ベロは嚥下(えんげ:飲み下す事)機能にも影響して、飲み込みづらくなります。
どういう風にベロや口を動かしたら食べやすくなるのか?飲み込みやすくなるのか?
笑うのも筋肉です、口の周りは筋肉だらけなんです、そこを補うんです。

―お口の筋トレ、ですか?

お口の筋トレグッズがあるんです。
色々あるんですよ~ベロでペコペコ押しつぶす器具とか、くちびるを閉める力を鍛える器具とか。
あとはベロを回す運動とかいろいろあるじゃないですか、あれがお年寄りには難しいんです。
オーラルフレイルといって、口腔機能が弱ってくると、全身疾患にもつながってくるそうなんですね。
お口から健康になっていくお手伝いをしたいです。

―筋肉の仕組み、鍛え方、全身に与える影響を教えてくれるんですね!

お口の周りの筋肉は、歯の矯正にも関係してくるんです。
MFT(口腔筋機能療法)というのもお勉強しています。
学校での勉強は卒業したけど、大人になってさらに勉強している感じです。

知れば知るほど奥が深く、セミナーの資料を見ているとワクワクしてきます。

―イヤイヤやる勉強じゃないんですね!日々ガッテン!なんですね。

楽しいからやっている感じです。
咀嚼(そしゃく:噛むこと)はお年寄りだけでなく乳幼児も大事なものだし、嚥下機能(えんげきのう:飲み下す事)にも影響してきます。
赤ちゃんの頃からおっぱいを飲むとか、ご飯をどう食べるかとかも関係してきます。
お子さんを産む前にそれを知っていたら、とても幸せなことですね。
ベロの位置も大事なんです。
勉強をする機会をくれた先生に感謝しています。

―開院当初からいらっしゃるのですか?

開院してから1年半後くらいから勤めているので、ほぼずっといる感じです。
「あなた、よかったいてくれた!」と言ってくださる患者さんもいらっしゃっいます。
覚えていてくれて嬉しいですね。

5.患者さんにメッセージ

―休みの日は何をしていますか?

溜まった家の事を片付けるとか、友達とランチに行ったり、ネットフリックスみたり・・今はストレンジャーシングス、ウオーキングデッドとか・・・ですね。

―患者さんに一言お願いします。

患者さんが話をしてくれるキッカケを作る役割を担っているので、いっぱいいろいろなことをお話ししてほしいです。
顔を見たらなんでもいいのでお話を聞かせていただきたい・・・他のスタッフも私もお話を伺いたいです。
笑顔で帰ってほしいです。
痛かったという人も、ニコッと笑って帰っていただきたい。
「ありがとう!また来るね」「検診に来てくださいね」という関係を築きたいです。

―最後に、佐藤先生ご夫妻はどんな感じですか?

お二人の会話を聞いていると漫才みたいで面白いです。
お二人ともボケとツッコミ、どちらのパートが出来る先生です。(笑)
愉快なお二人ですね。

取材後記

同じことをいろいろな言葉で話してくださるので、どれかがヒットして腑に落ちます。
歯医者さんに行って、痛みだけでなく不安も取り除いてくれるのが彼女のお仕事なのかなと思いました。

インタビュー:2022/7/7

他のインタビューを読む

院長 インタビュー

副院長インタビュー

歯科技工士インタビュー1

歯科技工士インタビュー2