BPSデンチャー(入れ歯)って何?

医院の待合室に貼っている、入れ歯の資料。
「先生忙しそうだし、興味はあるけど誰に聞いたらいいか分からない」
ではまず、ホームページでイロハのイをお伝えします!

BPS入れ歯とは?

BPSとは、「Biofunctional Prosthetic System(生体機能的補綴システム)」の略です。
ヨーロッパの入れ歯技術で、入れ歯界では有名です。
BPS入れ歯を、作り方も含めて使いやすいようにアレンジしたのが、当院の入れ歯です。
当院が入れ歯制作を願いしている「近藤義歯研究所」がBPSに改良に改良を重ね、日本人に合うように開発したのが「最新BPS入れ歯」です。

先生プチインタビュー

さとう歯科クリニックは、夫婦お二人とも歯科医師です。
BPS入れ歯について、伺ってみました。

【院長】当院は夫婦で治療を担当しています。
どちらか1人しかいなかったら向き合えないかもしれません、2人いるからこそ出来ることもたくさんありますね。

【副院長】入れ歯の悩みは本当に深いです・・・治療の時間のほとんどがお話の時間で、お悩みを聞いたりで終わる患者さんもいます・・・それくらい深いんです。
通常の入れ歯は、型取りして、噛み合わせを取り、完成します。
実際にお口の中に入れ歯を入れると、いろいろな動きをするので噛み合わせがしっくりと合わない、噛み合せると歯ぐきが痛い、入れ歯が動くなどの誤差が出ます。

「BPS入れ歯」は、人によって異なるアゴの動きや噛み合せを精密に再現でき、非常に噛みやすく安定した着け心地の良い入れ歯です。
この正しいアゴの位置や、噛み合せを診査するのに「ゴシック・アーチトレーサー」という物でゴシック・アーチ(下の画像参照)を取ります。
これを取ることにより、完成してお口に入れてすぐに何でも噛める入れ歯を作ることが出来るのです。
入れ歯の噛み合わせも、食べ物をしっかりと噛んでペースト状にできるような歯並び(フルバランスド・オクルージョン)になります。
ですので、うま味を感じやすくて飲み込みやすくなり、皆様にご満足いただいております。

【先生プチ解説】
赤・青・黄色の部分は、「面」が上下の歯で広くぴったりと噛み合っているところです。
食べ物をペースト状にしやすい、理想的な噛み合わせです。

―咬合調整(こうごうちょうせい:かみ合わせの調整)は技工所の仕事なんですか?

【院長】普通の入れ歯は、技工所の咬合器(こうごうき、下記写真)上で調整して完璧にして持ってきても、口の中に入れたら誤差が出来るので調整します。
その誤差がないのが「BPS入れ歯」ですね、これはすごい。
噛み合わせがストライク、上下も左右も一番噛めるところを探すことが出来る。

―「ぴったりフィット」ということですか?

【院長】粘膜にフィットという事ではなく・・・同じ人の口の中でも力が出るところが違います。
例えば、歯が抜けた状態が長い人の場合、10年間アゴをずらしてずっと噛んでいたら、筋肉の使い方が違います。
その人にとって力の出るところが違う。
上下左右、3D的にストライクを見つけることに特化しているから、結果がいいんですよね。

【副院長】近藤義歯研究所の技工士さんは、BPS入れ歯の噛み合わせ調整に約4時間掛けるそうですよ。
だから、初めて入れ歯を合わせてすぐにしっかりと噛めるんです。
入れ歯に対するこだわりや、プロ意識は凄いです。
ご自身でも「入れ歯オタク」と言っています、仕事が苦にならないそうです、入れ歯がいつも車の中にあるとか・・・。(笑)
※その技工士さんのインタビューはコチラ
それくらい入れ歯に情熱のある人達なので、相談もしやすいですし。
打ち合わせで、患者様の生活背景とか、性格的なこととか、何を求めているかをお互い相談して、完成させていきます・・・そういう技工所は少ないですね。

いつも食べられる物を選んで、食べることにご苦労された方が「BPS入れ歯」をお口に入れたその場でおせんべいを食べられて(フードテストをします)、「10数年ぶりにおせんべい食べた!美味しい!」って笑顔で言って下さいました。
本当に嬉しいです!
本当に入れ歯って奥深くて、面白いですね。
そして、健康で長生きをするためにしっかりと噛んで食べられることはとても大切です。

「リハビリ入れ歯」を使います

「入れ歯のリハビリって、どういう事?」
分からないことは先生に聞いてみましょう!

―リハビリ入れ歯ってどういうことですか?

「前に使っていた入れ歯の噛み合わせが合っていないものを我慢して使っていた。」
「奥歯が抜けて、奥歯の無い入れ歯を何年も使ってきた。」
「入れ歯は何度か作ったが、結局食べられなくてずっと入れていなかった。」

などなど、
こういった患者様は、正しい噛み合わせ、噛み方を忘れ、アゴの位置がだいぶズレています。
「 BPS入れ歯 」をこの状態で完成してお口に入れても、前の入れ歯の噛み合せのクセが強く出て、上手く使いこなせません。


そこでまずは、1回目のゴシック・アーチ(アゴの形)を取り、アゴの位置を決めて、リハビリ用の入れ歯を作ります。
3ヶ月から6ヶ月間使って頂き、正しいアゴの動き、正しく噛む筋肉をつけるためリハビリします。
その途中で、具合の悪い所を治していきます。
唇、舌の動きが変わってきて、歯並びを途中で変えたりすることもあります。
痛くない、疲れずに何でも噛めるというところまで来たら、再びゴシック・アーチを取り、最終的な入れ歯を完成させます。

【先生プチ解説】リハビリ入れ歯と本番の入れ歯。溝の深さが違います。

【先生プチ解説】理想的なゴシック・アーチの形

【先生プチ解説】実際にある患者様のお口で取ったゴシック・アーチ

【先生プチ解説】リハビリ入れ歯が必要な患者様のゴシック・アーチ(正しいアゴの動きではないので形が違います。)

―「お口の筋肉の筋トレ」で、だんだんムキムキマッチョになるんですね!

リハビリ入れ歯で噛む訓練すると、本来の噛む力が復活するんです。
奥歯でしっかりと噛んで食べていなかった患者様は、頬っぺたの厚みが薄くベロンベロンなんです、噛む筋肉が細くなっているんです。
でも、リハビリ入れ歯を入れて1カ月後に触診すると、筋肉が厚くなっているんですよ。
筋トレしなくても、食べることが筋トレになっています。

―食べること=筋トレなんですね!

「しっかり噛むこと」が、筋トレそのものなんです。
だから、しっかり噛める義歯を作らないといけないんです!

―なるほど、でも結構難しい話ですね。(汗)

こういった話を、歯医者さんに不信感を持っている患者様に理解してもらうのは大変です。
入れ歯はフィットしているだけではダメなんです。
一番大事なことは「その人にとっての上下左右前後の正しい噛み位置」です。
それが合ってないと、どんなに正確な歯型を取ってもダメなんです。

入れ歯はピッタリ合っていれば痛くないのではなく、ぴったり合っていることはもちろん、「正しい噛み位置」がとても大事なんです。

BPS入れ歯のすべての症例に、リハビリ入れ歯は必要?

BPS入れ歯でも、リハビリ入れ歯が不要なケースもあります。
具体的には下記の場合です。

  • 部分入れ歯の方で、ご自身の残っている歯の噛み合わせがズレていない
  • 総入れ歯の方で、噛み合わせのズレが少ない

「・・・ちょっと分からない」
難しい話なので、ぜひ「入れ歯無料相談会」でお会いしてお話をしましょう!
分かることが、信頼関係を気付くことが治療の第一歩です。

入れ歯専門外来あります