佐藤俊武 さとうとしたけ

院長先生インタビュー

―トリートメントコーディネーターの酒井さんが「院長と副院長の会話は夫婦漫才みたいだ」とおっしゃってましたが、医院の雰囲気ってどうですか?

アットホームな感じだと思います。
下町ですから堅苦しい感じはないと思います。
自分の性格もありますけど、患者さんとよくしゃべりますね。
スタッフも患者さんと診療の内容だけじゃなくて普通に世間話したりするので、患者さんも気兼ねなく質問が出来ると思います。

患者さんは歯科医院に来ただけで緊張して血圧が上がるので、まずは世間話などをして、リラックスしていただくよう心がけています。

―スタッフさんたちもお話が上手そうでしたが。

そうですね、子育てなど人生経験がある人も多いので、会話力が高いですね。

副院長が患者さんに「自宅でシクラメンを育てているんですけど、元気がないのでどうしたらいいんですか?」と相談したら「それは土が悪いから土を変えなさい」と教えてもらったこともあるそうですよ。
スタッフに会いに来る患者さんもいて、「あ~!○○さんいたの~!」と安心してくださっています。

―先ほどリコールハガキ(検診の時期が来ましたよハガキ)の宛名が手書きのものがちらっと見えました。今時メールなどのデジタルが多い中、むしろ新鮮です。

下町でお年寄りが多いので、あえてハガキを送っています。宛名はスタッフが書く場合もあるし、本人に書いていただくこともあります。
自分の字で書いてあると、送られて来た時にハッとするし、ご自身に住所を書いてもらえると間違いないですね。

―確かに。先生はどうして歯医者さんになろうと思ったのですか?

自分が矯正治療に通っていた歯科医院の院長が、卓球が好きな先生でした。
その先生の仕事、趣味に憧れましたね。人柄も良く、尊敬していました。
私は矯正治療を小学校高学年の時にやっていて、卓球もやっていたんですね。
なので治療に行っても先生と卓球の話ばかりしてました。(笑)

―卓球が好きなんですね!

そうですね。卓球はそれからずっと続けてきました。

―なるほど!出身はどちらですか?

生まれは東京なんですけれど、親が転勤族なので、札幌、兵庫の伊丹、東京に帰ってきて、福岡行って・・・というような感じでした。
歯の矯正は、東京にいた時に渋谷に通っていました。

―矯正は自分の意志で始められたのですか?

親の勧めでしたね。無理矢理でしたね。(笑)

―歯の矯正をしていた当時の思い出は?

やはり治療後数日の痛みですね。3日くらいは柔らかい物しか食べれませんね。
3〜4年くらい掛かるし、子供だったので手入れが大変でうまく磨けないし・・・
その点、当院で今導入しているインビザライン矯正(マウスピース矯正)は痛みも少ないし、歯ブラシも通常と変わらないので、今矯正してる方はうらやましいですね。
審美的にも気にならないですしね。

ただし本人にやる気がないと・・・インビザラインはマウスピースを入れないと治療が進まないのですからね。
私の場合は、自分の意思で始めてなかったので、結構つらかったですが、今は親に感謝しています。(笑)
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―そうですよね。以前、最初に勤務した歯科医院さんの先生の影響が大きかったとお話ししてましたが。

学ぶところが多かったですね。
一番は患者さんが快適に過ごすこと。患者さんへの対応を重んじる先生でした。患者さんにいかに不快な思いをさせないかを常に考えて、実践する先生でした。
例えば、麻酔の打ち方・・・なるべく痛くないようにする、できれば麻酔を打ったのを分からないようにする、という方法を習いました。
当院は、麻酔が痛くないからという理由で来ていただく方が多いですね。
やはり最初に習った先生の影響は大きいですね。

―すごいホスピタリティ!麻酔について、教えてください。表面麻酔をする歯医者さんとしない歯医者さんがあるんですが、それはどういう違いなんですか?

私は必ずしますが、先生によって考え方が違いますね。なるべく痛くないように麻酔を打とうと考えていれば、通常はすると思います。

―先日自分の子供の歯の治療の際に、いきなり麻酔の注射して「は?!なんで?」と思ったんです。

表面麻酔は痛くないようにするための一つの要因でしかありません。
表面麻酔をしたら必ず痛くないという訳ではありません。

―一つの要因?では他に麻酔の注射が痛くないようにする方法があるのですね。

そうですね。
針が細いとか、麻酔の温度が体温に近いとか、痛点が少ない場所に打つとか。

―つうてん?

はい、痛みを感じやすいところとそうでないところがあるんです。
あとは、針を粘膜に対して水平に打って・・・針の先端は斜めにカットされているんですね。

最初は上を向けてちょっとしか入れない、入れると白くなって広がっていくので、その白くなった部分より先に進まないなど、様々な要因が全部組み合わさると「え?打ったんですか?」となるんです。
それくらい気を遣っている先生の所で最初に仕事をしていたので、自然にそういった打ち方になりました。
当時はそういう医院は少なかったかもしれませんね。
歯医者で痛い思いをしたことで、痛くて20年ほったらかしして、うちにいらして、「こんなに痛くないんですか、もっと早く治療すればよかった」と言っていただいた患者さんがいました。
「痛くないように治療しよう」と思っていない先生の所へ行ったら悲惨ですよね・・・ちょっと前までそういう先生は確かに多かったです。

―そんなの絶対嫌です・・・私は歯医者さんに恐怖しかないんです。(汗)

1回そういうことを体験しちゃうと、怖くてしょうがないですよね。トラウマになりますよね。
基本的には患者さんが痛くないように・・・痛かったら治療が上手くても嫌じゃないですか。
どんなに優しくて治療が上手な先生でも、痛かったら通わないですよね?
痛くないのが患者さんにとっては一番大事かもですね・・・痛いのは恐怖ですもんね。

―そうですよ!治療中は口を空けているだから何も言えないし(笑)

だから、麻酔が足りない状態では治療しません。
痛点が少ないところに打つと、ご本人が気付かないこともある。幼稚園児も泣くことはほとんどないですね。

―・・・安心して来れます。

自分も痛い治療は嫌でした。自分も結構虫歯あったタイプです。
虫歯の洪水と言われた時代、歯医者さんも一人で一日100人くらい診ていた時代でもありましたらからね。
昔は神経を抜くときも「ちょっと我慢してね~」なんてことも結構ありました。

―入れ歯オタクに片足突っ込んでいる副院長を見てどう思いますか?

元々入れ歯の治療が好きだったところに、BPS入れ歯に出会ったので、水を得た魚のようにイキイキしていますね。
やりがいを感じているようです。

―印象深い患者さんは?

結構よく聞くセリフとしては「今までは色々な歯医者に通っても治し切ったことがなかったけど、初めてここで全部治しきるまで通えました」ですね。

―なるほど、みんな途中で行かなくなっちゃうんですね。(汗)

先生が怖くて途中でやめちゃったり、転院をしても中途半端で終わってる方でも、初めてここでやり切りましたという人は多いです。

―今度は先生自身のことを伺います。子供時代はどんな感じでした?

小学校の時は野球と卓球をやっていましたね。
運動大好きな活発な子供でしたね。

-マイブームは?

ずっと卓球です(笑)
車でのドライブも好きです。

先日大阪に行ったのですが、レンタカーで淡路島から香川県を回って瀬戸大橋を渡って、姫路城を見てグルーっと回ってきました。

―車、好きですか?

車自体が好きというより、ドライブが好きですね。
朝3時ごろに早く起きちゃったから、じゃあちょっと新潟行ってこようと思って、4時間ほど運転して、昼過ぎにカニいっぱい買って帰ってくるとか。

―それ、家族ビックリしませんか?「ただいまー」ってカニいっぱい積んで買ってくるって。(笑)

それと、ちょっとラーメン食べたいなと思って喜多方行くかとかね。
パッと行って帰ってくる、思い立ったら行っちゃうタイプですね。
最近だと、歴史的なところを見てくるとか。

―例えば?

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のゆかりの石橋山古戦場も行ってきました、一人で。

―大河ドラマの一番最後に出てくる「ゆかりの地」をチェックしていくんですか?

そうですね。「誰もいなくて怖いなー」みたいな、900年前は死屍累々だった場所ですよね。
兵庫へ行ったときは源義経が奇襲をかけた鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし、香川の屋島へ源平合戦の扇の的の場所に行ったりなど。

―大河ドラマの鎌倉殿の13人で源義経を演じた菅田将暉、カッコよかったですよね!

菅田将暉はいいですよね(笑)。
北条政子が産湯をつかったところ、源頼朝と政子が出会った伊豆山神社とか、車で行くといくらでも回れます。
久能山に家康の甲冑を見に行ったこともありますね、かっこよかった!
副院長は私より歴史に詳しいですよ。陰謀論とかも(笑)

―先生、だいぶハマってますね(笑)
最後に患者さんへメッセージお願いします!

治療法を提示して、利点と欠点を理解してもらって患者さんに選択してもらう、無理強いをしないように心がけています。

それと、痛くない治療を心がけています。
痛かったら通いたくないし、心折れますよね。痛くないのが大前提だと思っています。

取材後記

話のうまい先生は、たとえ話が上手です。
先生も例え話を織り込むので話が分かりやすく、面白く引き込まれました。
麻酔の打ち方一つにしても、患者さんが心地よくいてくれることを考えてくれている先生なんだなと思いました。
その一方、子供のころの先生のガキ大将っぷりを聞いて、親近感が持てました。
歴史ネタも患者さんとの会話の潤滑油として役に立っているかもしれません。

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